緑内障

MIGS

低侵襲緑内障手術

最近では、緑内障の手術に使われる器具や方法が進化し、体への負担が少ない治療が増えてきました。こうした負担の少ない手術は「MIGS(ミグス)」と呼ばれ、「低侵襲緑内障手術」という意味があります。 MIGSは、緑内障の初期から中期の方や、従来の手術後のケアが難しい高齢の方などにおすすめできる治療法です。

当院では、「iStent(アイステント)」という小さな器具を使った手術や、「谷戸式マイクロフック」という器具を使った線維柱帯切開術にも対応しており、患者さまの状態に合わせて適切な治療をご提案しています。

緑内障のイメージ図

iStent Inject W(アイステント インジェクト ダブリュー)

iStentは、日本で初めて厚生労働省の承認と保険適用を受けた、軽度から中等度の緑内障の治療を目的としたインプラント型の医療器具です。とても小さなステントを眼の中の「線維柱帯」と呼ばれる部分に留置することで、眼の中を循環している「房水(ぼうすい)」の流れを改善し、眼圧を下げることができます。 この治療によって、点眼薬の数を減らしたり、薬に頼らずに眼圧をコントロールできる可能性が期待されています。

当院では「iStent Inject(アイステント・インジェクト)」という、長さ約0.3mmの非常に小さなステントを、線維柱帯の2か所に留置するタイプを採用しています。この製品は、すでに世界45か国以上で使われており、60万本以上の実績があり、安全性と効果を示す研究データも多数(125本以上の論文)発表されています。

手術は白内障の手術と一緒に行います。白内障手術の際に作った小さな切開からiStentを挿入するため、新たな切開は必要なく、手術自体も5分ほどで終了します。安全性についても、白内障手術と同じくらい高いことがアメリカFDAの臨床試験で確認されています。 白内障と緑内障の両方をお持ちの方には、まずご検討いただきたい治療法です。

谷戸式マイクフックを用いた線維柱帯切開術

この治療法は、島根大学眼科学教室の谷戸正樹教授によって考案された「谷戸式マイクロフック」という器具を使った手術方法です。
フックの先端を、目の中にある「線維柱帯(せんいちゅうたい)」という水の通り道の色素帯に沿って、やさしく滑らせながらシュレム管という部分に入れていくことで、線維柱帯を切開する治療です(図14)。 このフックは先端が丸くなっているため、線維柱帯の奥にある「集合管」という大事な部分を傷つけにくく、従来の器具(カフークデュアルブレード)に比べて、より体に負担の少ない低侵襲な手術として評価されています。
この手術は、術後に一時的に目の中に出血がみられることがありますが、それ以外の合併症は少なく、安全性の高い方法とされています。 ただし、術後に得られる眼圧はおおよそ15mmHg程度で、それよりもさらに低い眼圧が必要な場合には、より効果の高い「濾過胞再建術」という手術が検討されます。

022-343-8878

午前 9:00~12:00
午後 14:30~17:30

休診日:日曜・祝祭日/金曜・土曜午後/第2・4土曜日